八重山殖産株式会社 工場長 浅井康史様にインタビュー
2020.06.18今回は読者の方に八重山クロレラ生産者の熱い想いを届けたい!と、
八重山殖産株式会社工場長の浅井康史さんに直接インタビューしました!
八重山クロレラ生産の裏話や浅井さんの想いなどたっぷりご紹介します。
100種類の中から厳選したクロレラ株を、
品質にこだわった独自の製法で提供
ーーー 本日はどうぞよろしくお願い致します。
では早速ですが、製造にあたって「10〜15年かかった」とお聞きしたのですが、
どういう点で苦労されましたか?
浅井:まず、クロレラがなかなか生育しませんでした。
栄養的に優れたものを育てようとすると「外敵に弱い」などの問題がありました。
色々と研究を進めていたのですが、思ったような量が取れない時代があったんです。
そこで、「自生しているクロレラを見つけよう」ということで、社員全員で各地の水を取ってきました。
その水を顕微鏡で確認し、そこからクロレラ株を全部分離させるのですが、百何種類くらいあるんですね。
ーーー 百何種類!?
浅井:はい。
さらに、その百何種類から試験をパスした物を育種して、弊社の培養方法や水に慣らしていく作業をしました。
そこで出来上がった物は今までよりも生産性が良く、葉緑素やタンパク質なども多いものでした。
こうして生産は安定したのですが、ご覧のようにオープン培養ですので、
培養時に他の微生物が邪魔をしてしまうという問題が出てきました。
そのため無菌を保てるような工夫が必要になります。
ここまで12~13年経って、ようやく培養方法を変えるきっかけが生まれたんです。
それまでは今までのやり方が”絶対”だと思っていたのですが、新しくシステムを作り直したんです。
そして、ようやく安定した品質と量を確保できるようになりました。
それが私達にとって大きな転機だったと思います。
ーーー では、その「安定化」までがすごく苦労されたんですね。
浅井:そうですね。
クロレラの育成もそうなのですが、「培養管理」が非常に難しくて。
他の菌がどんどん育っていってしまうんですよ。
この邪魔な菌を無くす方法を考えなければいけないということで。
ーーー かなりのトライ・アンド・エラーを繰り返していかれたんですね。
浅井:「失敗」しないと、前進できないと思っていて。
今は培地の成分も変えています。
そのおかげでクロレラだけがどんどん成長して、他の菌が成長しづらくなりました。
しかも、面白いことに味も美味しくなるんです。
それともう一つ、培養地を空っぽにしてから洗浄するようにしました。
すべて綺麗にしてから新しい種を入れる。
また、収穫時の遠心分離の時にある程度のクロレラを犠牲にしても良い物だけを取る方法に変えました。
そういった努力を重ねた結果、「美味しいクロレラ」が出来上がりました。
ーーー 培養液も変えたんですね。何を使うようになったのですか?
浅井:炭素源を酢酸からブドウ糖に変えました。
おかげで生産をコントロールできるようになりましたね。
もともと使っていた酢酸は、ちょっとでも失敗すると全部の培養地が死んでしまうんです。
この作業は難しいので、人によっては全滅させてしまうことがありました。
そういった失敗が今はない。
つまり、しっかりと生産管理ができているということです。
ーーー 先程、培養地を空っぽにして綺麗に洗うようにした、とおっしゃっていました。
この作業は生産効率的には悪化すると思うのですが、どういった意味があるのでしょうか?
浅井:「品質」ですね。
クロレラって細胞分裂した後に脱皮をするんです。
その皮は、取り除かないと残ってしまって、雑菌の繁殖源になってしまうんです。
ーーー 相当な手間がかかりますよね?
浅井:はい、時間はかかってしまいますね。
工場が出来た当初は、洗浄装置が無くて手作業で行っていました。
確かに『美味しい』っていうのは消費者にとっては大事なことですよね。
いくら健康に良いと言われても、味が悪いと敬遠してしまうと思うので。
なので、自分たちが作っているものをまず食べてみて、前回のものよりも美味しいことを確認してから、
生産をスタートしました。
私が一番多く食べたと思いますね、各ロット全部試食しました。
ーーー どう違うんでしょうか?
浅井:良いものは甘さを感じられます。
クリーミーと言いますか。
通常は抹茶のような味わいがあるんですよ。
弊社のものはタンパク質が多いせいか、甘さやクリーミーさが出ますね。
他のメーカーと比べてみても、「美味いぞ!」って自信を持って言えますね。
外部からも評価される認証を取得。安全と品質を担保する
ーーー 「ISO」や「FSSC」の認証も取得されているようですね。
浅井:輸出をしていると、海外では「GMPを取ってくれ」という話がありまして……。
ーーー あっ、アメリカだと必ずGMPが必要なんですよね?
浅井:はい。しかし日本では、当時は医薬品でしか「GMP」は扱われていませんでした。
後々食品用の「GMP」制度が出来たんですけど、
我々は待ちきれずに「ISO9001」と「HACCP」を合体させたものの認証を取得し、輸出を行っていました。
これを10年くらい運用していました。
そうして、会社全体に理解や衛生行動が広まったので、
次のレベルである「ISO22000」と「FSSC22000」にレベルを上げました。
もっともっと基準を上げていこうと。
それらを取ることによって意識が変わりましたし、外部からも「しっかりと認証を取っていますね。」と、
認めていただけるようになりました。
ーーー 「HALAL」や「Kosher」も取得されていますが、
こういったものって、それぞれの認証に合わせた対策が必要になりますよね?
浅井:いえ、弊社の場合は「HACCP」のシステムをベースにして、
細かいところだけ調整して対応しています。
それぞれ宗教上の問題で違う箇所があるだけなので、そこさえクリアすれば特に問題はないですね。
実は昨日、「HALAL」の監査があったんです。
ーーー そうなんですか。
浅井:問題なく更新することができました。
ーーー おー!おめでとうございます。
クロレラって元々は「NASA」で注目されたものですよね。
これからの時代、「HALAL」とか「Kosher」は宗教上の理由で違いがあるとはいえ、
世界的に「ベジタリアン」や「ヴィーガン」などの菜食主義者が増えてきている流れは、
クロレラにも追い風かなと思うのですが。
そういうチャンスはありそうですか?
浅井:そうですね。
当社がアメリカの展示会に行ったのが1995~1996年頃です。
その頃から他の日本メーカーも現地に代理店を作って、一生懸命宣伝していました。
その辺りに我々も飛び込んでいったのですが、
「いや、君たちの物はクロレラじゃない。紛い物ではないのか? 」と言われたんです。
そこで私達も引き下がらずに
「いや、そんなことはない。我々はこうこうこうして、プライドを持って作っているんだ!」と色々と話したんです。
そうしたら2~3年目ぐらいから「あ、八重山だ!」と非常に高い評価を頂けて。
最初はああ言っていましたが、
実は彼らも「メイド・イン・ジャパン」の品質や安全面を待っていたのかなと思いました。
その頃アメリカで販売されていたものは海外産で、あるメーカーの社長さんは
「今は海外産しかないんだけど、君たちが提供してくれるならばすぐにお願いしたい。」と言ってくれました。
しかも、もうその翌月ぐらいには工場に来られましたね。
その後、ヨーロッパに進出しましたが、ヨーロッパは認証の重要性を実感しました。
「メイド・イン・ジャパン」の生産環境は世界でも指折り
ーーー クロレラは世界中で生産されていると思うのですが、「メイド・イン・ジャパン」のメリットや特徴は何でしょうか?
浅井:当社のクロレラでいえば、「生産環境」です。
石垣島は日本で一番南に位置する沖縄で、日当たりも良く、自然がたくさんあります。
海外の工場ですと、いわゆる工場地帯の中に生産工場があるのが一般的です。
メイド・イン・ジャパンの生産環境は、間違いなく世界でも指折りだと思います。
ーーー 石垣であれば特に自然環境もいいですし。
浅井:そうですね。
うちの創業者達はこの地の地下水を確認して、この地を選んだそうです。
ーーー 琉球石灰岩から・・・。
浅井:石灰岩の地下から湧き上がってくる水を使っています。
沖縄で一番高い山は石垣島にあって、「於茂登岳(おもとだけ、石垣ではウムトゥダケ)」と言います。
526mの高さがあり、大きな水脈から上質な水が取れるんです。
ーーー そうなんですね。沖縄No.1の山から取れるお水を使っているんですね。
話は変わりますが、最近クロレラを飲んでいらっしゃる方たちは若い方たちも多くて、
10~30代まで幅広い方に愛飲されています。
ただ、まだまだ「クロレラ」を知らない方が多い。
浅井:多いですね。
ーーー 私自身もはじめは「クロレラって何だろう?」と知りませんでした。
「緑の物」というイメージはだけはあったのですが。
ただ最近、「デトックス効果」と「栄養豊富」の2点が注目されて、流行ってきているようです。
浅井:「デトックス」はクロレラを扱い始めからずっと言われていたんですけども、
当時はまったく浸透しませんでした。
今の若い方がダイエットの方法として注目してくれて、大変嬉しく思っています。
ーーー そうですよね!
浅井:フィットネスや運動とともに、「身体の中も気をつけよう」っていう意識が出てきたのかなと思います。
そういった面からクロレラは貢献できますので。
ーーー 「デトックス」。
そうですね。
身体の内側から改善しようっていうのが“現在のトレンド”となって、
時代と合ってきたなという感じがしますよね。
特に八重山殖産さんで作られているクロレラは良いモノで、
自然条件が整っているのでイメージしやすいんですよね。
さらに、沖縄ウコン堂様で添加物無しの100%打錠を行っていて、一貫して沖縄の自然の中で生産されている。
浅井:それは一番大きい結果ですね。
ウコン堂さんは素晴らしいノウハウを持っていまして、非常に吸収性の良いものが出来ています。
匂いと味と、非常に良い相乗効果が生まれています。
日本人が古来から愛してきたクロレラ。
自然の恵みを目一杯感じてほしい
ーーー なるほど。
では、最後に2点だけ質問があります。
まず、これからクロレラを飲もうと考えている方に、何か一言ございますか?
浅井:一つはですね。
クロレラは日本人が実際に食して、「これは体にいいものだ!」といって作り上げた食文化の一つです。
そのため長い歴史を持った食品ですので、安心して摂取して頂けるかなと思います。
あとは太陽の恵みといいますかね。
太陽の良い光、いいモノをもらって出来上がった食品ですので、自然を目一杯感じられると思います。
ーーー ありがとうございます。
非常にいろいろな話を聞けてすごく為になりました。
やっぱり僕もクロレラを飲んで効果を感じて、一回飲み始めるとずっと飲みたくなるんですよね。
中毒性があると言いますか(笑)。
浅井:中毒性。
ーーー 毎朝飲まないと気が済まない。旅行にも必ず持っていくんです。
浅井:そうですね。
クロレラはデトックスということで、お通じを良くしてくれる。
やはりそういった効果が非常に多いですね。
ーーー それは葉緑素の効果ですか?
浅井:はい、葉緑素のおかげかなと思います。
ーーー クロレラが植物の中で一番、葉緑素が多いんですよね?
浅井:そうですね。乾燥された物では一番高いです。3%ぐらい入っています。
ーーー なるほど。
「クロレラ」はまだまだ認知されてないですけども、これだけ良い食品ですので今後認知されればもっともっとブームに火が付くのかなと思っています。
浅井:はい、非常に楽しみです。
作っていて、やっと認められてきたと思っています。
ーーー 大変素晴らしいです。本日はどうもありがとうございました。
浅井:ありがとうございました。
ーーー 終始笑顔が素敵だったのが印象的で、八重山クロレラと長年真摯に向き合ってきたからこそ、
「安心と安全を届けたい」という言葉に説得力と熱い想いを感じました。
浅井様、ありがとうございました!